2007年11月
社団法人 電気管理技術者協同機構
一、法規制の概要
電気事業法第43条により、事業用電気工作物(自家用電気工作物が含まれる。)では主任技術者を選任しなければならないこととされています。
「電気事業法第43条 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安の監督をさせるため、経済産業省令で定めるところにより、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、主任技術者を選任しなければならない。」
この規定を受けて、電気事業法施行規則で次のように規定しています。
「電気事業法施行規則第52条第2項 自家用電気工作物であって、出力千キロワット未満の発電所(原子力発電所を除く。)のみに係る前項の表一、二、三若しくは七の事業場、七千ボルト以下で受電する需要設備のみに係る同表三若しくは七の事業場又は電圧六百ボルト以下の配電線路を管理する事業場のみに係る同表七の事業場のうち、当該発電所、需要設備又は配電線路を管理する事業場の工事、維持及び運用に関する保安の監督に係る業務(以下「保安管理業務」という。)を委託する契約(以下「委託契約」という。)を次条に規定する要件に該当する者と締結しているものであって、保安上支障がないものとして経済産業大臣(事業場が一の経済産業局の管轄区域内のみにある場合は、その所在地を管轄する経済産業局長。第53条第1項、第2項及び第5項において同じ。)の承認を受けたもの並びに発電所、変電所及び送電線路以外の自家用電気工作物であって鉱山保安法が適用されるもののみに係る同表三又は七の事業場については、同項の規定にかかわらず、電気主任技術者を選任しないことができる。」
文中「次条に規定する要件」の中の個人事業者に関する内容を分かりやすく示すと次の三のとおりです。
二、電気管理技術者の資格について
電気管理技術者の資格は、電気事業法の明文規定に基づいているものではありません。
前掲のとおり施行規則第52条第2項における主任技術者不選任扱いの適用を受けるための条件が同規則第52条の2に定められており、この条件を満たすものとして「保安管理業務外部委託承認」を受けられれば、電気管理技術者として開業を認められたこととなります。
その条件を満たしているかどうかを最初の保安管理業務外部委託承認申請の際に判定してもらうために必要な書類を調えて提出する作業を「開業申請」と称しています。
従って、予め電気管理技術者の資格を取得しておくことはできず、あくまでも1件目の保安管理業務外部委託承認申請と一緒に申請するものです。
三、電気管理技術者の必要要件
規則第52条の2に定められている個人事業者の要件
- 1.
- 電気主任技術者免状の交付を受けていること。
- 2.
- 電気工作物の工事、維持または運用に関する実務に従事した期間が、通算して次に掲げる期間以上であること。
- イ.第1種電気主任技術者免状の交付を受けている人 3年
- ロ.第2種電気主任技術者免状の交付を受けている人 4年
- ハ.第3種電気主任技術者免状の交付を受けている人 5年
- この場合において、電気主任技術者免状の交付を受けた日前における期間については、2分の1に計算されます。
- 3.
- 機材の保有
- 3-1.
- 次の機材は、占有している必要があります。
- 新たに購入した場合は、その納品書、領収証等のコピー、従来から所有していたものを用いる場合は写真添付を要します。
- なお、納品書、領収証等の実物は求められた場合に提示できるよう申請時に持参します。 ここに記した確度及び定格については絶対的なものでなく、あくまでも参考です。
- イ.
- 絶縁抵抗計
- 1000V及び500Vのものが必要とされるが、実務上は、これに加えて250V及び125V定格のものが必需。出力電圧切替式のものでもよい。
- ロ.
- 電流計
- 30[A]程度までの計測ができるもの。0.5級程度。10/50[A]定格あるいは5/25[A]定格等がよい。
- これと別に、実務上はクランプ式電流計及びクランプ式漏れ電流計は必需で、かつ、高調波の影響を除去するための商用周波フィルタ付きのものがよい。
- ハ.
- 電圧計
- 300[V]程度までの計測ができるもの。0.5級程度。たとえば、150/300[V]等がよい。
- 上記と同等以上の確度を有するデジタルメータでもよい。
- 電圧及び電流の多レンジの測定器の場合、1台で電圧計と電流計を兼用することはできない。
- ニ.
- 低圧検電器
- ホ.
- 高圧検電器
- ヘ.
- 接地抵抗計
- ト.
- 騒音計(注参照)
- チ.
- 振動計(注参照)
- リ.
- 回転計(注参照)
- 注 .
- 発電所の保安管理業務を受託しない場合は、ト、チ、リは必要ない。
- 3-2.
- 次の機材は、占有しているか、または他から借用する等必要な場合にこれらを使用し得る措置を講じているか、あるいは設置者がこれらを備え付けている必要があります。他から借用する場合は、貸し主の承諾書が必要です。
- 資料2 機材貸与承諾書、書式参照 (PDF)
- イ.
- 継電器試験装置
- ロ.
- 絶縁耐力試験装置
- 4.
- 換算係数
- 保安業務を受託しようとする設備の種類規模及び点検頻度に応じて一定の換算係数が定められており、受託数の合計(換算係数の和)は33以下に制限されています。
- 5.
- 受託施設の種類規模及び点検頻度に応じて点検の頻度が定められています。
- 6.
- 保安管理業務の的確な遂行に支障がないこと。
- 7.
- 保安管理業務外部委託承認取消の責めに任ずべき者であってその取消の日から2年を経過しない者でないこと。
四、保安管理業務外部委託承認申請に必要な書類
五、個人事業者の場合の承認要件
申請が次の各項に適合していると認められれば承認されます。
- 1.
- 前掲三の要件に該当すること。
- 2.
- 委託契約が保安管理業務の委託のみを内容とするものであること。
- 3.
- 危険場所等設置の事業場でないこと(詳細省略)。
- 4.
- 点検頻度、事故その他非常の場合の連絡方法、委託契約双方の義務及び責任等の必要事項が委託契約に定められていること。
- 5.
- 電気管理技術者の主たる連絡場所が当該事業場に2時間以内(「主任技術者制度の解釈および運用(内規)」に規定)に到達しうる場所にあること。
六、実務経歴証明書の書き方
- 1.
- 見本 (PDF)のように記載してください。
- 2.
- 複数ページに亘る場合は、各ページの綴じ代の部分に証明者の割印を要します。
七、新規開業時に必要な書類
八、申請の進めかた
希望者には、開業時の入会を前提として当機構事務局で無料にて予備的に実務経歴等の内容を審査し、必要な指導助言をいたします。
それに基づいて下書きを作成し、勤務先の証明を得ていない段階で管轄の産業保安監督部で予備的な審査をしてもらいます(訪問時は予約必要。)。問題ないとなったら正式に勤務先の証明をとり、勤務している場合は退職し、いずれかの自家用電気工作物設置者と保安業務の受託契約を締結し、最初の保安管理業務外部委託承認申請とともに正式に申請します。
最初の承認がおりたならば、所定の要件を満たしていると認定されたわけですから、2件目からは開業にかかる書類は不要となります。
開業までのプロセスの一例を開業までのプロセス(PDF)に示します。